一歩先への情報整理

外資系で新薬開発。思い込みを捨て、広い視点から生活を少し良くするかもしれないヒントを。医療、英語、転職、本、子育て、資産形成など。

英語がいらないグローバル企業?~外資から外資に転職した話~

私は医薬品関係の外資企業に新卒入社し、その後、同業他社(外資)に他職種として転職しました。
周りから、「日系企業との違いは?」「英語ペラペラじゃないと入れないの?」など聞かれることもあります。
これまで日系企業で働いた経験がないので、 外資ならではの特徴を上手く伝えることはできないですが、今回は英語力という面のみに着目して書いてみます。(あくまで個人的経験からです。)

結論としては、以下4点。

  • 会社よりも、職種によって求められるレベルが異なる
  • 日本法人の会社規模による場合もある
  • ほとんど英語を使わない職種もあるが、英語が嫌いな人はいない
  • ほとんど英語を使わない職種でも、英語力を高められる環境かは会社による
  • 管理職を目指すなら英語力が必要なことが多い
  • 英語力は会社選びの最優先事項ではない

英語力は職種次第!

私は学生時代に英語がペラペラな訳でもなく、留学経験もありませんでした。
ただ英語は好きで、就活時のTOEICは700点台後半(入社2年後に再度受験して840点)でした。
TOEICが英語力を正確に反映できるものとは言えないですが、同職種内では、英語力は高いほうでした。
ただ、グローバルな環境で働きたいというのも入社理由のひとつであったのですが、思ったより英語を使わない環境でした。
リーダー職になれば海外と連絡を取ることもあるのですが、一般職にとっては、社内でも社外でもコンタクトを取る相手はみんな日本人でしたので、英語を話したりメールを書いたりする機会は、ほぼありませんでした。
一応英語を公用語としている会社にも関わらず、です。
ものによっては書類の作成方法を世界共通にしなければならず、英語で作成する文書もありましたが、基本テンプレを編集していく感じなので、慣れてしまえば英語を使っているというより、記号を入力しているという実感でした。
なお、他部門の人との関わりはあまりなかったので、同職種内での状況しか分かりませんが、帰国子女から読み書きも苦手な人まで、英語力は様々でした。
ただ、英語が得意ではなくても、英語を見るだけで拒否反応が出るような英語嫌いな人はいなかったかなと思います。

なお、一般的には、求められる英語力は会社規模によると言われることも多いです。
日本法人がかなり大きければ、もうほとんど日本企業のようなもので、日本語のみで仕事が完結する場合もあるようです。
ただ、私が所属した1社目も数千人規模でしたが、専門性の高い業界ということもあってか、この印象はあまりなかったです。

英語漬けの環境へ

数年後、同業他社に他職種として転職しましたが、そこでの仕事は基本英語

会議もメールも書類作成も、英語の方が多いです。
だんだん慣れましたが、最初は会議についていくのが大変でした。。
最大の転職理由は仕事内容でしたので、英語については強く意識していませんでしたが、英語を使うことで、世界基準で仕事ができているという充実感があります。

なお、その会社にも、前職と同じ職種の方もいて、その人たちはあまり英語を業務上使ってはいないようです。
ただ、会社全体で重要なお知らせなどは英語のメールやビデオメッセージで第一報として入ってくるのですが、それらを原文で読むよう会社として推奨していたり(日本語に翻訳されないことも多い)、英語の習得法やおすすめ動画を社長が紹介していたり、任意参加ですが英会話しながらのランチ企画などがあったりと、会社全体として英語力のベースアップを図っているようで、どの職種でも意識次第で英語力を伸ばせる環境かなと思います。

なお、リーダー職などへの昇格を目指す場合は、英語が必要なことが多いです。
日本を代表して、海外と情報共通する必要があるからです。
ただ、部下の教育担当など、マネージャーであっても決して高くはない英語力で活躍できている職種の人も見てきました。

英語力が必須でない場合もある

以上のことから、英語力は会社選びの最優先事項ではなく、高い英語力が求められない職種の場合は、会社としての働きやすさなど、日系企業の場合と変わらない自らの会社選びの軸を元に検討して良いと思います。
英語アレルギーがなく入社後も向上させていきたい気持ちがあるなら問題ないかと。
英語ペラペラじゃないから外資は最初から考えない…というのは勿体ないです!
必要な英語力については会社ごと&職種ごとにリサーチした上で、やりたいことがあるなら、ためらわずチャレンジしてみては!?

学生特例で未払い分の年金、払うべき?

年金事務所から突然届くハガキ。

中を開けると

「サササ サササ サササ サササ…」の文字と、右下に80万の金額。

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はい、国民年金保険料追納の案内です。

「サ」は学生納付特例を表す記号。

 

在学中で納付が猶予になっていた年金、その額82万円!

院卒ということもあり合計で4年半、払っていませんでした。

う~ん。。。高すぎる。

年間18万円台なので、4年大卒の人は40万くらいですかね。

これは10年以内であれば、さかのぼって納めること(追納)ができますというお知らせで、「催告状ではありません。追納希望の方は申込みをしてください。追納すると、年金額が増えます」と書かれています。

 これ、払わないとどうなるのか?

20代で60歳以降のことを決めろと言われても難しいですが、10年のタイムリミットがあるので、調べてみました。

 

追納しないと、いくら減るのか?

追納しなくても、将来年金がもらえることには影響ないですが、満額で支払った人よりも、もらえる額が減ります。

40年間全納した場合は、貰える国民年金は誰でも年額78万円

年金額は毎年改定されるので確定はできないですが、現状で考えると私の場合、追納しないと年額69万くらいの受給になるので、年間9万円、月7500円くらい減りますよという感じ。

(大卒の場合は月3200円前後のマイナスですね)

つまり、年金を9年以上受給するなら、追納しておいたほうがお得ということ。

 

追納で、税金が軽くなる

ただ、上記に加えて追納にはもうひとつメリットがあり、所得税・住民税として引かれる分に、追納した保険料を一部使えるので、実質は7年以上の受給でトントンになるくらいですかね。

 

・・・さて、この数字と現在の家計状況、今後のライフプランを想定して、最適な方法を考えます。

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結論

経済的に余裕がある人であれば勿論払ったほうがいいですが、追納することで生活に支障をきたす人や、奨学金の返済が残っている人などは、無理して払わなくても良いかと。

私はこのままタイムリミットを迎えることになりそうです。今のところ。 

人生100年時代と言われる現在、7年以上受給する可能性は高く、確かに追納した方がプラスにはなりそうです。

ただ、ほぼ貯金なしで24歳で社会人スタートした者として、若いうちの82万は結構重要です。

生活費、結婚、子育て、自己投資などを考えると、ある程度の現金は手元にあったほうが安心ですし、

住宅購入の場合は少しでも頭金を増やした方が、ローンの利息分の返済総額も減ります。

 

少ない受給額で暮らしていけるの?

まあ私は今のところ、年金がどうとかに関わらず、定年退職後も70くらいまでは何かしら働きたいなと思っています。

また、基礎年金、厚生年金いずれも、受給開始を最大70歳まで繰り下げることができ、繰り下げ期間に応じて、貰える年金が最大で42%まで増額します。

(その場合、私は年額98万くらい)

何かしら仕事での収入、確定拠出年金、投資で得たお金で60代を過ごし、70歳くらいから年金を受給することで、受給額を増やし、長生きするリスクに備えるというプランを考えましたが、どうでしょう。

また、60歳以降も働き続けて厚生年金に加入していれば、もらえる年金は増えます

ただ、国民年金のほうも60歳以上で任意加入して年金の増額は可能ですが、こちらは厚生年金加入者は対象外なので、フリーランスになった場合ですね。

いずれにしても、60歳以降の行動次第で、増額はできます。

 

もちろん、納税が国民の義務であることは重々承知ですし、年金は若い世代が高齢世代を支えるものです。

ただ、大学進学率が50%を超え、男女平均で95%が60歳以上まで生きるこの時代、

20代前半の学生だった数年間分を、60代でも働くことで相殺する、という選択肢も良いのではないでしょうか。

 

それにしても、年金のこういう制度について、20歳以前に学んだ記憶がなく、気付いたら支払い義務が発生していました。

学校教育で絶対にやったほうがいいと思うのですが。

 

ということで、これ無理してでも払わないといけないの!?老後暮らしていけないの!?という漠然とした恐怖で行動する前に、冷静に計算して将来をイメージしてみることで、不安感がなくなったという話でした。

 

正直、今回調べてみて感じたのは、国民年金ってこんなもんなのか、ってこと。^^;

厚生年金しっかりもらうためにも、お仕事がんばりますか~

コロナワクチンって結局安全なの?~とある新薬開発者の見解~

いよいよ日本でも接種が始まった新型コロナのワクチンですが、メディアや専門家、ネット上など様々な情報や意見が錯綜していて、結局打ったほうがいいのか、確信が持てない人が多いと思います。

有効性が凄いということはよく話題になっているけど、「本当に安全なのか?」が、多くの人の懸念点ではないでしょうか。

 

正直、コロナワクチンについてはこれまであまり調べたことがなかったのですが、ふと気になって臨床試験の情報を調べてみたので、ワクチンの安全性と個人的見解について書きたいと思います。

※私は新薬開発の一部を仕事にしていますが、コロナワクチンについては一切関わっていないので、誰でもホームページから入手できる情報のみから確認しています。

 

通常、臨床試験の情報を確認するにはPMDAのサイトから「審査報告書」と「申請資料概要」を読むのが確実ですが、何百ページもあり専門用語も多いので、一般の方は添付文書を検索して「臨床成績」の部分を見てみるのがおすすめです。

(添付文書検索:添付文書情報メニュー (pmda.go.jp)

 

さて、今回日本で使用される新型コロナワクチンは、ファイザー社の「コミナティ筋注」です。

安全性としては、海外の治験で1回目接種後の8183人、2回目接種後の7507人分のデータが示されています。

 

<主な副作用は?>

注射部位の痛み(72.6%)、疲労(55.5%)、悪寒(29.6%)、頭痛(46.1%)、筋肉痛(33.5%)、関節痛(20.5%)、発熱(13.6%)です。

(※2回目の接種後7日間以内に発症した副反応)

また、日本人での臨床試験も実施されていますが、160人(本剤投与は119人)と少ないですね。。

日本人での主な副反応は、注射部位の痛み(79.3%)、疲労(60.3%)、悪寒(45.7%)、頭痛(44.0%)、筋肉痛(16.4%)、関節痛(25.0%)、発熱(32.8%)です。

見て分かる通り、意外と多いです。

頭痛10%台のインフルエンザワクチンとかと比べても、かなり高いです。

半分の確率で疲労感と頭痛があって、3人に1人は発熱、4人に1人は関節痛、って感じですね。

 

アナフィラキシーが起きる?>

ごくまれに起こる重大な有害事象として、アナフィラキシーがあります。

日本人ではアナフィラキシーは起きず、海外での発生は100万人あたり5人となっており、抗生物質などと比較しても桁が違うほど少なく、この点では安全と言えそうです。

 

<長期的な安全性は?>

まだ観察期間はほんの数ヶ月で、長期的な安全性については不明です。(通常、ワクチン開発では長期的な安全性確認が必要で、最低でも開発に4年はかかります)

これまでとは全く性質の異なるmRNAワクチンということもあり、予想できない部分も多いです。

 

<効果はどのくらい?>

メディアでは「効果95%!」などと言われていますが、有効性95%とは、100人中95人に効くという意味ではなく、接種しない場合と比較して、接種した人ではコロナを発症した人の割合が95%減少したという意味です。

今回の有効性のデータから計算すると、「接種しない場合113人に1人感染」に対して、「接種した場合2275人に1人感染」となります。

インフルエンザワクチンなどと比較しても、かなり高い効果と言えます。

 

ということで、以上のリスクよりメリットが上回ると考える人が、接種希望となります。

世界中を混乱させた新型コロナに対して、ワクチンが強力な武器となることは間違いないですが、私はまだ打ちたいとは思わず、もう少し情報の集積を待ちたいです。

 

テレビではワクチンの素晴らしさや、海外での大規模接種を報道している一方で、週刊誌やネットでは、「ワクチンに効果なし」、「アナフィラキシーが起きた」などネガティブな情報が多い気がします。

テレビで言ってたから、有名な専門家が言ったから・・・などと安易に信じすぎず、それは参考として、もっとできるだけ事実に近いと思われる情報を自分の目で確かめて、判断するのがよいと思います。

もしかしたら命に関わるかもしれない、自分の体のことですから。

私の話もあくまで参考の1つとして、どうぞ。